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「Global Homecoming 2016」フォーラムの開催

2017.3.10

12月20日、Arts & Science LAB. 4階にて「Global Homecoming 2016」の一環として、本学に留学経験があり、現在母国の芸術系大学で教鞭を執る元留学生の教員6名を迎え、「藝大で学ぶということ」をテーマとするフォーラムを開催しました。

「おかえりなさい!」。三田村学長特命(国際交流・留学生担当)の歓迎の言葉で幕を開けたフォーラムは、「開学130周年を来年に控えた東京藝術大学のさらなる発展のためには大学を主体とした同窓生や交流協定校との関係強化が重要です。そのために世界各地で活躍する元留学生との交流を活性化し、持続的な人的ネットワークを築いていきたいと考えてこの『グローバル・ホームカミング2016』を開催しました」との趣旨説明、井谷グローバルサポートセンター特任教授による「藝大の国際交流の現状」についての報告に続いて、4つの議題について協議しました。


(左)開会の挨拶をする三田村学長特命  /(右)藝大の国際交流の近況を紹介する井谷特任教授

議題1.「藝大で学ぶ意義、藝大教育の特徴」では、元藝大留学生としての立場で藝大で教育を受けることの意義を語り合いました。
Nipan ORANNIWESNA講師は「藝大は伝統を守ってきた上で、現代的なものとのバランスもとれていると思う。Arts & Science LAB.などの見学を通じてこの思いが強くなり、これからもっと藝大が面白くなりそうだと思った」と語り、自分が教鞭を執る大学でもこの価値観を取り入れていきたいと意欲を示しました。
宋璽德准教授は「デザイン科を初めて訪れたときは学生作品のレベルの高さにショックを受けたが、学びの起爆剤になった。藝大はこれからもアジアを牽引していく存在であり続けてほしい」と期待を語りました。

議題2.「留学の意義」では、藝大に限らず、留学一般の意義について協議しました。
権柱翰教授は「自国では失伝した伝統的な鋳金技法を学べる大学を探して藝大へ留学した。専門用語などの知識が求められる修士・博士課程の入学試験は今までで一番頑張ったときであり、この努力こそが留学の意義だ」と述べました。
陳秋荣教授は「母国で教員となった後に留学した。藝大での研究生時代は朝6時から夜10時まで制作に取り組んだ。母国とは異なる色々な技法を学ぶことができ、得たものは大きかった」と話しました。

議題3.「外部から藝大への関わり方」では、所属大学の教員としての立場で今後藝大と交流を深めていこうとするときの交流方法について提案しました。
Rosaria IAZZETTA教授はヨーロッパ域内外を結ぶ交流プログラム「エラスムス+」活用を提案するとともに、「アーティスト・批評家など全体のネットワークづくりのために、国際会議開催へ動きたい」と意欲を示しました。
Maung Maung Zaw Htet教授からは「教育的要素を含んだコンサートのプロデュースの仕方を藝大から学んで自国で実践したい」「学生に限らず教員を含めた交換留学を行いたい」といった展望が語られました。
また、今回「Global Homecoming 2016」開催に合わせて招聘した「大学の世界展開力」の協力相手先大学の学生らに本事業への参加を通じて感じたことを含めて意見を求めると「藝大には自分専用のスペースで、時間をふんだんに使って制作ができる環境がある」といった評価や「もっと学生を取り込んで国際交流をしてほしい」といった要望がありました。

議題4.「藝大への提言」では、国際交流の強化を求める提言が数多くありました。交換留学により異なる文化を相互に取り入れる、イベントなどによって様々な国から多くの学生や同窓生を招いて互いに学ぶ機会を作るなど直接的な人の交流や、卒業・修了展を海外で見ることができるようにすることで海外の学生が感銘を受け励みになるのではないかといった交流方法の提案が寄せられたほか、卒業証明書の発行をもっと早く行えるようにして欲しいといった事務的なサポート面についても要望がありました。

元留学生の先生方

Nipan ORANNIWESNA
タイ/バンコク大学講師


宋璽德
台湾/台湾芸術大学准教授


権柱翰
韓国/大邱大学校教授


陳秋荣
中国/北京城市学院教授


Rosaria IAZZETTA
イタリア/ナポリ美術アカデミア教授


Maung Maung Zaw Htet
ミャンマー/ミャンマー国立文化芸術大学教授

協議を終え、光井副学長より多くの意見が出されたことへの感謝と一方的に学ぶのではなく、藝大と海外の大学の両方が交流し合うことで、藝大が新しいものを作っていく場になることへの期待が述べられました。

最後に、「藝大で学んだ留学生が本国に戻って教育活動をされているということは本学にとって宝です。ローカルとグローバルの間で芸術が果たす役割は大きく、藝大が果たすべき使命は日本に限らず世界においても大きくなっていくと思います。同時に、皆さんの大学が持つ役割も大きくなっていくと思います。そして今回のこの小さな交流が大きな役割になっていくと思います。この『Global Homecoming』がこれからも長く続き、お互いに頑張っていけるようにしていきたいと考えています」との長嶌グローバルサポートセンター運営委員会副委員長の挨拶でフォーラムは幕を閉じました。


意見を述べる「大学の世界展開力」の協力相手先大学の学生