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東京/ソウル・アートリサーチ・ワークショップ

2017.6.6

基本情報

研修者:国際芸術創造研究科 学生8名
研修先:韓国(ソウル、光州)
研修期間:2016年9月5日~8日

海外研修の成果

東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科とソウル国立大学美術学部・音楽学部の大学院生が共同で研究会を開催し、東京とソウルの芸術文化シーンの状況を報告するとともに、これから東京とソウルでアートプロジェクトや展覧会を立ち上げるとしたらどのような企画が可能か議論しました。さらにその実施可能性についてソウルの文化芸術施設を視察調査することで検討を行いました。

ソウル大学校・アジアセンターおよびソウル大学校美術館を会場に行われたワークショップでは、パク・ベギュン教授(ソウル大学アジアセンター)と本学の毛利及び熊倉両教授を交えた基調討議、本学学生全員による都市とアートスペースをめぐるプレゼンテーション、ソウル大学大学院生によるプレゼンテーション、ソウル大学現代美術館(SNU MoA)見学及び館長挨拶、ソウル大学美術学部ハーボユーン教授、音楽学部キム・シンクン教授の講演を聴講した上で、参加者全員による公開シンポジウムを行ないました。


ソウル大学でのワークショップ教授陣の全体ディスカッション風景


ソウル大学校でのワークショップでの発表シーン


ソウル大学校美術館企画展「ART SPACE GERMANY」視察中の様子


ソウル大学校美術館外観

また韓国の文化芸術の様相を学ぶため、ソウル・光州の2カ所に渡り、視察調査を行いました。ソウルでは、国立現代美術館をはじめ、オルタナティブ・スペースやアートスペースを視察しました。光州では、国立アジア文化殿堂(Asian Culture Center、ACC)を訪問し、現地のキュレーターやスタッフを交え、芸術施設を見学しました。また該当時期に開催されている光州ビエンナーレを視察し、現地のアーティストやキュレーターとの交流を交え、視察調査も行ないました。


光州・アジア文化殿堂(ACC)内のアーカイブを視察する国際芸術創造研究科学生たちと熊倉教授・毛利教授


光州・アジア文化殿堂外観


光州ビエンナーレ2016外観


光州ビエンナーレ2016内観

参加学生の声(要約・抜粋)

■ 近くて遠い国と言われている日本と韓国だが、ワークショップやそこでの対話を通じ、互いの理解が深まり、国を越えて親しい友達になったような感じがする。

■ 今回は比較的新しい施設を見学したが、洒脱な建築空間のなかでも、特に教育普及活動のための場所を広く確保している点が印象的だった。今後、施設が社会的な課題にアプローチする際に独自の取り組みが生まれる可能性が高いことから注目していきたい。韓国で起こっている現代アートの活動、アクティビズムと土地の歴史、ドラマやK-POPを筆頭とするエンターテイメントなど、これまで部分的に見てきた韓国文化が、実際現地で目の当たりにすることによって、一貫した流れで捉えられるようになった。

■ アート・アクティヴィズム、オルタナティブ・スペース、デザイン、都市計画など、さまざまな実践は、アジア各国の人・モノ・文化の移動の激化を前提としておこなわれていることが多いが、固有の土地に残り続ける人・モノ・文化も確かに存在しており、我々はその両方に目を向け続け、現代の文脈から両者の新たな関係を取り結ぶような実践を模索し続けなければならないように感じた。

■ 歴史の勉強不足もあり、また韓国語を操ることもできなかったが、今自分がこのように韓国の留学生と交流し、現地の方に暖かく迎えていただける状況を心から感謝したいと感じた。

■ 展覧会のコンセプトに対する批判性の重要度や自国の歴史性に対する意識、海外のアート言説に対しての敏感さと東アジアの地政学的状況が韓国での現代アートの基盤になっていることは、日本の現代アートの動向と比べると新鮮であった。

■ 「芸術は何をなせるか?」というテーマのビエンナーレを訪問し、芸術の自立性をもとに文脈を明確に示すのではなく、実際の会場で作品と向き合うことで来場者の想像力を耕すことが可能かどうか、という実験的な場であったという印象を抱いた。