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台湾・日本芸術文化交流事業 台湾文化光点計画 『台湾写真表現の今〈Inside / Outside〉』展とシンポジウムの開催The Spotlight Taiwan Project: Taiwan Photography Now <Inside/Outside>

October 10, 2018

9月14日~29日、台湾文化部と本学との共催による芸術文化交流事業「台湾・日本芸術文化交流事業 台湾文化光点計画」を実施しました。実施6年目を迎える今回は、本学美術学部先端芸術表現科の企画により、『台湾写真表現の今〈Inside / Outside〉』と題して、展覧会、レセプション及びシンポジウムを開催しました。

展示会場である陳列館にて吳政璋氏(左)から作品解説を受ける保科理事・副学長(右)と朱台湾文化センター長(中央)

台湾は、かつて大航海時代にはポルトガル人船員によって麗しの島とも呼ばれた、豊かな森林に恵まれた島嶼です。しかしながら、その発見以降の5世紀に及ぶ歴史では特に帝国主義の時代には西洋や東アジアの国、そして日本の統治下においても苦難の歴史がありました。現在でも統治時代の遺構は各所に残り、我々戦後の世代はその辛酸に対して率直に学ぶしかありません。とりわけ日本の教育制度は大きな影響を与え、東京美術学校や東京藝術大学にも多くの台湾人留学生が学びました。

台湾の戦後の混乱を経て現在の民主化と経済の発展はめざましく、また同時に独自の文化の成熟には目を見張るものがあります。今回の企画は、台湾の新しい写真表現の可能性とともにその歴史や文化をより多くの皆様に知っていただき、今後の台湾と日本の連携を一層深めることを目的としました。

レセプションパーティーのオープニングにおける音楽学部邦楽科教員による演奏

誰もが東アジアの国々を旅すればその町並みの様相には多くの共通性があり、その違いは看板の文字ぐらいではないかとさえ思えますが、細部を見ていくとその違いに驚かされます。それはその土地に暮らす人々が過ごした固有な歴史や伝統による時間の差異なのではないでしょうか。今回はその中でも1960年代以降に生まれた写真家に絞って展覧会を企画しました。

戦後まもなくの表現は、サロンによる絵画的な表現や、あるいは政治的なドキュメンタリーが中心でしたが、1987年の戒厳令以降の表現は多様化し、特に女性の表現やジェンダーに関する表現も多くなりました。1990年代以降からは世界的にインターネットなどにより飛躍的に伝わる情報量やそのスピードが増し、ローカルなテーマと同時に世界共通のグローバルなテーマを抱いて制作しています。それは台湾だけのことではなく、日本も同様であり、世界的な傾向と言えるでしょう。

朱台湾文化センター長によるレセプション挨拶

レセプションパーティー参加者による記念撮影

9月15日東京藝術大学美術学部中央棟1階第1講義室で開催されたシンポジウムでは、企画担当教員である先端芸術表現科佐藤時啓教授から企画の経緯・趣旨の説明があり、続いて台湾側代表してCo-キュレーターで本学修了生である邱奕堅氏から台湾の戦後史を絡めて写真表現の特質や文化的背景の説明がありました。

その後、8人の台湾若手写真家による作品の説明が行われ、質疑応答も活発に行われ、内容の濃いシンポジウムとなりました。

シンポジウムの様子

会期中には多くの方々に会場に足を運んで頂き、社会性を含んだ台湾の写真表現の現状を知って頂くことができました。本事業の成果を糧に、今後とも本学と台湾の写真表現分野での協力関係を一層緊密なものとして、力を合わせて発展に務めてまいります。

レセプションにて日本・台湾参加教員記念撮影

■主   催:東京藝術大学、台湾文化部、芸術文化振興基金

■企   画:東京藝術大学美術学部

■協   力:台北駐日経済文化代表処台湾文化センター

■後   援:公益財団法人日本台湾交流協会、台東区

■助   成:公益財団法人野村財団、公益財団法人朝日新聞文化財団、

 公益財団法人アサヒグループ芸術文化財団

■協   賛:株式会社ニコン

■企画代表者:東京藝術大学美術学部長 日比野克彦

■企画担当者:東京藝術大学美術学部先端芸術表現科教授  佐藤時啓

 東京藝術大学美術学部先端芸術表現科教授 伊藤俊治

 東京藝術大学美術学部先端芸術表現科教授 鈴木理策

■企画 補佐:東京藝術大学美術学部先端芸術表現科助教 間瀬朋成

台湾写真家 展覧会・シンポジウム参加者及びCo-キュレーター

名 前 英文の名前 生年 代表作
趙炳文 Chao Bin-Wen 1963 溜滑梯
楊欽盛 Yang Chin-Sheng 1973 城市斷面
杜韻飛 Tou Yun-Fei 1975 生觴相
陳淑貞 Chen Shu-Chen 1965 After
邱國峻 Chiu Kuo-Chun 1968 神遊之境(Land of Deities)
侯淑姿 Hou Lulu Shur-Tzy 1962
吳政璋 Wu Cheng-Chang 1965 台灣「美景」系列
許曉䉠 Hee Siow-Wey 1974 花之器
邱奕堅 Chiu I-Chien 1962 Co-キュレーター

From September 14 to 29, 2018, Tokyo University of the Arts (Tokyo Geidai) and the Ministry of Culture of Taiwan co-organized the exhibition and symposium “Taiwan Photography Now <Inside/Outside>.” This is the sixth collaborative undertaking since the launch of the Spotlight Taiwan Project, the joint project of art and cultural exchange by the two organizations, and this year, the Department of Inter-Media Art at the Faculty of Fine Arts took lead in planning and presenting the event.

At the exhibition

Photos from the reception party

At the symposium

The faculty members

Taiwanese Photographers, participants and co-curators of the exhibition and symposium

Name Birth Year Representative works
趙炳文 Chao Bin-Wen 1963 溜滑梯
楊欽盛 Yang Chin-Sheng 1973 城市斷面
杜韻飛 Tou Yun-Fei 1975 生觴相
陳淑貞 Chen Shu-Chen 1965 After
邱國峻 Chiu Kuo-Chun 1968 神遊之境(Land of Deities)
侯淑姿 Hou Lulu Shur-Tzy 1962
吳政璋 Wu Cheng-Chang 1965 台灣「美景」系列
許曉䉠 Hee Siow-Wey 1974 花之器
邱奕堅 Chiu I-Chien 1962 Co-curator