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ASAP実施報告:ソウル-東京-台北 アートリサーチ・ワークショップ

September 25, 2019

アーツスタディ・アブロードプログラム(ASAP)とは、国際舞台で活躍できる優れた芸術家の育成を目的として平成27年度に開始した、学生の海外での芸術文化体験活動を促進する実践型教育プログラムです。国際経験豊富な藝大教員陣によるサポートのもと、参加学生自らが主体となり、海外渡航を伴う展覧会や演奏会、上映会、研修への参加、協定校への訪問等プログラムを実施します。

実施事業概要

事業名称:ソウル-東京-台北 アートリサーチ・ワークショップ
実施者:国際芸術創造研究科
渡航先:韓国(江陵)
参加学生数:18人
実施時期:2019年9月(5日間)

成果概要

2019年9月18〜22日の5日間、国際芸術創造研究科を主とした本学学生が、国立台北藝術大学、韓国総合芸術学校(K-Arts)との三大学合同による国際交流研修旅行を、韓国・江陵(カンヌン)で行いました。興味関心や将来の目的が似通った海外の同世代の学生との合同リサーチ・ワークショップを通して交流機会を持つことで、学生の国際的な視野が広がる貴重な機会となりました。
近年、韓国では大都市だけでなく、地方都市においても文化芸術と連動したジェントリフィケーションの手法による都市再生の動きが盛んです。今回の合同リサーチを通して、本学の学生が、首都ソウルではなく地方都市の江陵をフィールドとした文化芸術による都市再生への取り組みの現場を体験できたことで、その背景にある日韓関係も含めた同地の歴史・文化などについて理解を深めることができました。

現在使われていないトンネルを見学。朝鮮戦争時代には内戦で約100名の韓国人が亡くなる負の歴史もある場所。

地球規模においては同じ文化圏として括られるアジア3カ国から集まった学生たちではありますが、実際に6つのグループに分かれて共同リサーチを始めてみると、複数の言語(英語、日本語、韓国語、中国語)を駆使してどうにかコミュニケーションをとろうとしていましたが、最初はお互いの文化的な差異ばかりに気を取られ、心のうちを探り合っているところがありました。 しかしながら、現地の都市・文化政策の担当者・関係者を前に、都市再生に向けた具体的な提案を行う最終プレゼンテーションが近づき、緊張感が高まるにつれて、グループ内の結束力が高まり、スケッチやダイアグラムなどの視覚言語を駆使しながら、国際的な異文化コミュニケーションの実践を試みていました。 こうした合宿形式による合同フィールドワークとディスカッション、そしてプレゼンテーションの協働体験は、異文化間のコミュニケーションを通した国際的なネットワークづくりになるとともに、お互いの差異ではなく共通点や共通言語を発見/発掘する機会となることで、すべての参加者にとって、今後の糧になっていくことと思います。

学生はグループに分かれてリサーチを実施。中間発表を行い各教員から講評を受けた。

日本、韓国、台湾からの学生が6つのグループにわかれ、アイデアを出し合った。