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NICASによる藝大の視察および今後の具体的連携について

2015.11.20

11月9日に開催された、オランダ王国のマルク・ルッテ首相およびオランダ芸術科学保存協会(NICAS;Netherlands Institute for Conservation Art and Science) ※1と宮田亮平学長を代表とする本学教員陣との、文化財の保存修復や芸術と科学との融合に係る連携体制構築に向けた会談にあわせ、その当日および翌日の2日間にわたり、NICAS役員らによる本学の工芸および保存修復等に関する研究室の視察が行われました。

※1NICAS:2015年9月25日に文化財保全の促進を目的に設立された、自然科学と美術史学、保存および修復とを統合する研究センター。従来の研究に、化学・物理学の専門知識および情報通信技術(ICT)等、最新の科学技術の新たな可能性を結びつけた学際的なアプローチを行う。オランダ科学研究機構(NWO)、アムステルダム国立美術館、アムステルダム大学(UvA)、オランダ文化遺産局(RCE)およびデルフト工科大学(TU Delft)の協力のもとに成り立っている。

NICASからは、会長のロバート・ファン・ラング博士(アムステルダム国立美術館 保存修復部長)の他、ルイ・フェルテハール博士(オランダ科学研究機構(NWO) 化学・自然科学部門長)、ヨリス・ディック博士(デルフト工科大学准教授)らが視察に参加され、本学の漆芸(保存工芸)、鋳金、保存修復日本画、Arts & Science LAB.、彫金、鍛金、保存科学の領域において、学生達が実習作業をしている様子にあわせて、各研究室所属の教員から学技術的な話や教育内容について説明を受けました。

report040-02(左:漆芸研究室、右:鋳金研究室)

report040-03(左:保存修復日本画研究室、右:Arts & Science LAB. 1F)

report040-04(左:Arts & Science LAB. 2F、右:彫金研究室)

report040-05(左:鍛金研究室、右:保存科学研究室)

また、ルッテ首相と宮田学長との会談が行われたその日のうちに、具体的な連携内容を検討するための会議が開かれ、NICASの取組についての紹介動画等を交えながら、今後の方針が話し合われました。

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会議の中で、ロバート・ファン・ラング博士からは、「私個人として、またNICASという組織として重要だと思っていることのすべてが、この大学で体現されていることを拝見できた。伝統的な技法と、新しい技法とがひとつに組み合わさっている。自分自身で芸術作品をつくってみると、あるいは、どういう風につくられているかを学ぶと、芸術作品がどういう風に修復されるべきかが見えてくる」という言葉があり、様々な分野における制作技法、芸術作品の保存・修復、最先端の科学技術を用いた芸術表現という幅広い分野を複合的に扱う本学と、同様の取組を推進するNICASとは、多様な領域で連携を進められることが確認されました。

最後には、ルッテ首相に贈呈された法隆寺金堂壁画の高精細複製のミニサイズのものがNICASメンバーにも贈られ、近々、今度は藝大からオランダへと視察団を派遣することを約束し、出発点となる会合は多くの実りに恵まれたまま幕を閉じました。

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